機能
カタログと同期し続けるアーティストデータベースソフト
多くのギャラリーにとってアーティストデータベースは、フィットネスの習慣のようなものです。建前としては存在し、たまに更新され、みんなが実際に使うバージョン(ディレクターのノートPCにあるバイオのWordファイル)は半年前のまま。このガイドでは、公開ウェブサイトもプレスキットも貸主への書状も、全員がそこから読む「唯一の参照先」になるようにアーティストをモデル化する方法を解説します。
アーティストレコードに実際に含まれるもの
実務で機能するアーティストレコードには、次のものが入ります。正規名と、クレジットで使われる別表記。複数の長さのバイオ(プレスリリースには80語、美術館への貸出書状には400語が必要だからです)。CV(展覧会、受賞歴、レジデンス、出版物を年代順に)。連絡先情報、取り扱い(代表)の状況、委託条件、そしてこのアーティストの作品でギャラリーが扱っているもの。
このレコードが「正」であれば、次の展覧会のプレスリリースはレコードからバイオを引き、公開ウェブサイトのアーティストページは同じCVを読み、美術館への貸出書状も同じ展覧会歴を引用します。そうでなければバイオはずれていきます。ウェブサイトとプレスリリースの記述が食い違い、貸出書状は誰もが忘れていた2018年版を引用している、という状態です。
アーティストレコードに必要な5つのフィールド(と、省くべき1つ)
数多くのギャラリーのアーティストレコードづくりを見てきた結果、効果が出るのは決まって同じ5つのフィールドです。6つ目(自由記述の「タグ」群)は、ほぼ例外なく収拾がつかなくなります。
On Details, set at minimum: First name / Last name, Nationality, birth date (and death date for estates), Inventory number prefix if this artist gets auto-numbered works, Email / Phone, Website and social handles, Tags, and Addresses when you need them on loan letters.
Scroll to Statement (short artist statement) and Bio (longer biography). Both are rich-text fields saved on blur. Your Website Studio artist page can show either block depending on template settings.
省くべきフィールド:自由記述の「タグ」群
初回のセットアップでは、ほぼすべてのギャラリーがアーティストに自由記述の「タグ」や「テーマ」フィールド(「絵画」「抽象」「ラテンアメリカ」「新進」)を欲しがります。便利そうに見えて、1年以内に必ず混乱します。誰も表記の一貫性を守らないため、同じアーティストがあるレコードでは「abstract painting」、別のレコードでは「abstraction, painting」とタグ付けされてしまうのです。値の決まった閉じたリスト(メディウム、地域、世代)を定義するか、いっそ省略するか。自由記述のタグは底なし沼です。
To expose a CV on the public artist page, upload a PDF on Files, mark it Public, and use the biography document type so it appears as Download artist's CV on the live site. Re-upload when the artist sends an updated PDF; the link on the public page follows the file on the record.
Private files stay gallery-side only. The artist portal (below) can expose selected documents without publishing them on the website.
Wordファイルと「アーティストごとのDropboxフォルダ」が破綻するポイント
定番のアーティストデータベースは、Dropboxのアーティスト別フォルダです。bio.docx、cv.docx、portrait.jpg、press_clippings/、contracts/、install_photos/。これが持ちこたえるのは、2人目のディレクターが「あのアーティストの2019年リスボンでのグループ展」を探して、唯一の記録が「press」サブフォルダのJPGだったと気づくまでです。
アーティストから最新のCVを求められたときも同じです。3台のノートPCに4つのバージョンが存在し、ウェブサイトのものは2023年版、直近の貸出書状のものは2024年版、そしてアーティスト本人のバージョン(ギャラリーに使ってほしいと思っているもの)は2月にメールで届いたまま——という事態にギャラリーは気づきます。
展覧会と作品に結びついた本物のアーティストデータベースは、CVを自動的に組み上げます。2019年のリスボンのグループ展は、展覧会レコードが存在して作品がそこに含まれていれば、自然とCVに現れます。CVは定義上つねに最新で、Wordファイルはもう必要ありません。
Art.industries のアーティストの扱い方
アーティストは、作品・連絡先・展覧会・出版物と並ぶ第一級のレコードです。すべての作品は(文字列ではなく)アーティストレコードを参照し、すべての展覧会は参加アーティストを参照し、すべてのプレス掲載もアーティストレコードを参照できます。アーティストレコードのCVビューには、システムが把握しているすべての展覧会が年代順に表示され、実際のレコードから自動生成されます。
バイオは3つの長さのバリアントとしてレコード上に保持されます。プレスキット、貸出書状、ウォールラベルが、それぞれ適切な長さを引いて使います。ギャラリーがバイオを更新すると、その変更は次のレンダリング時に、公開ウェブサイトを含むすべての参照先に反映されます。
取り扱い地域と委託のデフォルト条件はアーティストレコード上にあり、新しい委託と作品に引き継がれます。ヨーロッパで他のギャラリーと共同代表になっているアーティストならその旨が記録され、ドイツへ作品を提案しようとすると、共同代表のギャラリーに連絡すべきかを確認するフラグが表示されます。
アーティストとレコードを共有する(共有しすぎない)
多くのアーティストは、ギャラリーが自分の何を持っていて、それがどこにあり、何が売れたのかを知りたいと思っています。価格、値引きの履歴、美術館・機関からの問い合わせまで知りたい人もいます。適切なデフォルトは、その中間のどこかです。
Art.industries では、アーティストをプライベートなアーティストビューに招待できます。そこには委託中の作品、現在の所在、販売履歴(総額、純額、取り分)、ギャラリーとの展覧会歴、最新のCVが表示されます。価格、値引き履歴、特定のコレクターの身元を表示するかどうかはギャラリーが決めます。多くのギャラリーは、作品+販売+CVをデフォルトで有効にし、コレクターの身元と値引き履歴はギャラリー側に留めています。
遺産の場合は、同じビューをより広い表示範囲で遺産管理者に共有することが多くなります。遺産は実質的に委託者であり、より詳細な精算情報を受け取る権利があるからです。表示範囲のモデル全体は委託管理をご覧ください。
よくある質問
- 遺産(エステート)をアーティストとしてモデル化できますか?
- はい。アーティストレコードはアーティストの没後も存続し、遺産管理者の連絡先や遺産特有の書類関係(承認者、財団への参照)が同じレコードにフィールドとして追加されます。連絡は遺産管理者へ届き、アーティストの履歴(作品、展覧会、販売)はそのまま紐づいています。
- 共同代表の取り決めはどうモデル化されますか?
- アーティストレコード上で行います。地域の分担(当ギャラリーは南北アメリカ、Xギャラリーはヨーロッパ)と対象作品をそこに記録し、共同代表の地域へ作品を提案すると、請求書とビューイングルームのフローにフラグが表示されます。
- アーティストは自分の作品のコレクターリストを見られますか?
- 見られるのは、ギャラリーが許可した範囲だけです。デフォルトのアーティストビューに表示されるのは、作品、販売(総額、純額、取り分)、CVです。コレクターの身元は通常ギャラリー側に留め、美術館などの機関購入者については選んで開示できます。表示範囲は「全部か無か」ではなく、フィールド単位で設定できます。
- CVはシステムから自動生成されますか?
- はい。展覧会、受賞歴、パブリックコレクション、レジデンス、出版物はすべて実レコードで、年代順にCVに表示されます。手動のエントリー(ギャラリーとの関係が始まる前の1998年のグループ展など)もCVに直接追加でき、CVは構造化レコードと手動エントリーを合わせたものになります。
- 数十人のアーティストを取り扱うギャラリーではどうなりますか?
- アーティストリストは、フィルター(メディウム、世代、取り扱い状況、直近の展覧会、直近の販売)を備えた本物のエンティティビューです。40人のアーティストを取り扱うギャラリーは、連絡先リストと同じように、静的な名簿ではなく日々の作業画面としてアーティストリストを使っています。